ヨーロッパの諺です。
同じ水でも牛が飲むと牛乳となって、それを飲むと健康になる。ところがベビが飲むと、毒になって、人を苦しめるものになる。
水には善悪はありませんが、誰が飲むかによって結果はガラリと変わってしまう、ということです。
同じような話は、中国にもあります。
昔、柳下恵(りゅうかけい)という大変親孝行な人がありました。
彼の家に水飴があったので、彼は病気でしかも歯がない母親の介護に、水飴を与えて、孝行をしたと言われます。
ところが兄の盗跖は大泥棒で、この水飴をドアのひさしに流し込めば、音を立てずに忍び込んで、思う存分盗みが働けるぞ、と思った。
結果多くの人を苦しめ、果ては母親も苦しめてしまう結果になってしまいました。
アインシュタインは、20世紀最大の科学者。
相対性理論によって、小さな質量が莫大なエネルギーに変わることを発見しました。
いわゆる原子力です。
ところが、そのために、原子力爆弾が作られて、最初に投下されたのが日本だったので、親日家だったアインシュタインはとても悲しんだそうです。
原子力が平和利用できれば、その莫大なエネルギーは、人類に大変な貢献をすることになると思います。しかし、爆弾に使われると多くの人を苦しめる結果になってしまう。
最近ならAIですね。
コロナを封じ込めるには、AIで個人情報を管理して、感染者や濃厚接触者がすぐにわかるようにして、情報を開示しなければならない、と言われます。
ところがその場合、個人情報が云々、という問題が出てきますよね。
便利になったんだけれども、別の問題で便利な機能が使えない、というジレンマに陥っています。
要は、便利になった道具を何に使うのか。目的がなければ、どこまで便利になればいいのか、ゴールが見えません。
科学にも現代技術にも、その根底には、思想や哲学が必要ですね。
日本人の哲学の基盤は親鸞聖人のお言葉が書かれた『歎異抄』だと思います。
親鸞聖人は『四海のうち、みな兄弟』
とおっしゃり、全ての人が平等に救われると言われていますね。
『人類皆兄弟』と本当に言える世界にしたいですね。
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